女性の体調変化のサインとなる、生理周期。
生理周期の異常には、子宮や卵巣のトラブルが隠れていることもあります。
特に、生理周期が短い人は、妊娠の可能性が低くなる…とも言われています。
では、生理周期が短いと、なぜ妊娠しにくくなるのでしょうか?
この記事では、
・生理周期が短くなる原因
・なぜ妊娠しにくくなるのか
・治療法はあるのか
など、イチから解説しています。
ぜひ、最後までお読みくださいね。
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生理周期が短いと妊娠の可能性は低くなる?!原因や治療法は?
「生理周期が短い」とは何日のこと?
生理周期とは、生理初日を1日目として、次の生理の前日までの日数のことで、25〜38日が正常とされています。
24日以下だと生理周期が短いと診断され、医学的には「頻発月経」と呼ばれます。
初潮の時期や更年期に近づく時期は、生理周期が短くなりやすいためそこまで心配はいりません。
しかし、成熟期の女性で頻発月経が続くと、ホルモンバランスの乱れや婦人科系の疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。
なお、生理周期には個人差もあり、また、一時的に短く/長くなることもあります。
普段の周期と比べ、一時的な±6日程度のズレであれば、様子を見てもよいでしょう。
ストレス等の要因で数日前後することも珍しくないと言われていますので、あまり心配しすぎないようにしましょうね。
24日以内の周期が何回か続けば、婦人科への受診も考えたほうが良いかもしれません。
少しでも快適に過ごすため、見直されてもいいかもしれません。
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では、生理周期が短い=頻発月経の場合、妊活における問題点はあるのでしょうか。
普段から短めだという方は、妊娠できるのか心配になりますよね。
次は、頻発月経と妊娠との関係性についてご紹介します。
生理周期が短いと妊娠の可能性は低くなる?!
頻発月経は、その原因によっては妊娠しづらくなる可能性があります。
妊娠と関連性のある、頻発月経の原因は主に3つ。
ひとつずつ説明していきますね。
①黄体機能不全(黄体ホルモンの不足)
通常、排卵が済むと「黄体ホルモン」の分泌が増え、その作用により14日間ほどの高温期に入ります。
しかし、何らかの原因により黄体ホルモンが不足すると、高温期が通常より短くなり、その分だけ次の生理が早く来てしまい、頻発月経となります。
黄体ホルモンは体温を高めるだけでなく、子宮内膜を着床しやすい環境に整えたり、着床後の妊娠を継続させたりと、妊娠のための働きをたくさん持っています。
そのため黄体機能不全だと、着床できない、妊娠しても流産しやすい、など不妊につながる可能性があります。
②卵胞期短縮症
黄体機能不全とは逆で、「卵胞ホルモン」の分泌期間が短くなる病気です。
卵胞期は基礎体温が下がるので、卵胞期短縮症だと低温期が短くなります。
卵胞期が短いと、卵胞(卵子のもと)の育つ期間も短くなり、未成熟なまま排卵することになって受精率が下がります。
また卵胞ホルモンは、着床しやすいように子宮内膜を厚くする働きがあるので、それが不十分だと着床しにくくなります。
③無排卵
無排卵月経とは、排卵していないのに次の生理が来ること。
排卵が起きなければ、卵子と精子が出会うこともできず、妊娠には至りません。
無排卵だと生理周期が短くなることがあります。
また、経血量が少なかったり、少量の出血がダラダラ続く…といった特徴があります。
無排卵の場合は、基礎体温が低温期・高温期の二相性にならないことが多いので、「高温期が来ない」「基礎体温が一相性」などの症状があれば無排卵を疑ってみましょう。
以上が、頻発月経の原因として考えられるものです。
生理周期が25日以上であれば正常の範囲内であり、ただちに心配はいりませんが、
「高温期が短い、もしくは来ない」「生理の出血が少なく、長い」など異常があれば、上記①②③の可能性もあります。
異常に気づくためには、日頃から基礎体温や出血量などをよく観察しておくのも大事ですね。
では、①②③のような疾患には、なにか原因があるのでしょうか。
日頃の生活で予防できることがあれば、心がけたいですよね。
次は、生理周期が短くなる原因となるものをお伝えします。
生理周期が短くなる原因は?
頻発月経となる原因は、その大もととなっている疾患によって異なります。
先ほどと同じ3つの場合について、説明していきますね。
①黄体機能不全の場合
黄体機能不全は、黄体ホルモンのほか、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、性腺刺激ホルモン(GnRH)などの分泌減少で引き起こされます。
また、「高プロラクチン血症」「甲状腺機能異常」など他の疾患から黄体機能不全につながることもあります。
その他、ホルモンは分泌できていても、それを受け取る側である子宮・卵巣に異常がある場合もあります。
いずれも自力で治すことは難しいので、婦人科を受診するのが良いでしょう。
なお、直接の原因ではありませんが、栄養不足や喫煙などの生活習慣や、ストレス、冷えなどが誘因となる可能性も指摘されています。
②卵胞期短縮症の場合
基本的には、加齢に伴い卵巣機能が低下することで起こります。
通常であれば子宮・卵巣と脳のネットワークによりホルモンバランスが保たれているところ、加齢によってそれが崩れ、「性腺刺激ホルモン(GnRH)」が過剰分泌されます。
その影響を受け、卵胞の成熟期間が早まり、未成熟のまま排卵されてしまいます。
更年期に起こりやすい症状ですが、卵巣機能の低下には個人差があるため、若い人でも起こりえます。
また、症状を放置するとより卵巣機能が低下するため、異常を感じたら早めの受診がおすすめです。
③無排卵に場合
無排卵には様々な原因があります。
①②と同様にホルモン分泌の異常や、卵巣機能の低下によって起こることもあれば、「多嚢胞性卵巣症候群」などの婦人科系疾患が原因となることもあります。
ただ、過度なダイエットや激しいスポーツ、ストレスや生活習慣の乱れが原因でホルモンバランスを崩し、無排卵となることも多いです。
若い人でも十分に起こりうるので、正しい生活習慣を送ることが大事です。
以上が頻発月経となるそれぞれの原因です。
生活習慣を整えることで改善・予防できるものもありますが、ホルモン分泌の異常や卵巣機能の低下などは、身体的な問題であり自然治癒は難しいものです。
異常を感じたら、早めに受診することで更なる悪化を防ぐことができます。
では、これらの原因で病院を受診する場合、どのような治療が行われるのでしょうか?
また、治療せずに自力で妊活を続けることは可能なのでしょうか。
生理周期が短いと治療は必要?
頻発月経は、妊娠を望まない場合は治療をせず、経過観察となることもあります。
しかし妊娠希望であれば、治療せず放置すると悪化し、さらに妊娠しにくくなってしまう可能性があります。
婦人科で適切な治療を受けるのが良いでしょう。
頻発月経では、それぞれの原因に合わせた治療を行っていきます。
①黄体機能不全
黄体ホルモンの内服薬などで、不足分を補充します。
高プロラクチン血症や甲状腺機能異常などの疾患から黄体機能不全になっている場合は、もとの疾患も投薬などで治療していきます。
②卵胞期短縮症
排卵誘発剤で排卵をコントロールします。
また、過剰分泌となっている性腺刺激ホルモン(GnRH)を抑える薬剤なども使用します。
③無排卵
②と同様に、排卵誘発剤で排卵を起こします。
また、ホルモン剤でホルモンバランスを調整していくこともあります。
多嚢胞性卵巣症候群などの疾患から無排卵となっている場合は、もとの疾患の治療も行います。
上記が病院で行われる治療ですが、それにあわせて、生活習慣が乱れていたり、痩せすぎ・肥満などがあれば、それを整えていく必要があります。
健康的な生活が、正しい生理周期のベースとなっているのです。
まとめ
生理周期が短い「頻発月経」は、
・黄体機能不全
・卵胞期短縮症
・無排卵
などから、不妊につながる可能性があるということが分かりましたね。
頻発月経は24日以内という基準がありますが、
25日以上でも、「基礎対応が二相性にならない」「経血量が少ない」「ダラダラと出血が続く」などの症状があれば、不妊につながる疾患が隠れているかもしれません。
異常に気づくには、普段から基礎対応を記録したり、生理の日数、経血量などを把握しておくことが必要です。
生活習慣を整えることで、体調の変化に気づきやすくなったり、ホルモンバランスが整って頻発月経を改善できることもあります。
スムーズな妊娠のためにも、健康的な生活を心がけましょう。
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