最近、妊活や不妊治療の現場で「ラクトフェリン」という言葉が注目されています。
「妊活の先輩からラクトフェリンのサプリをすすめられた」
「ラクトフェリンを飲むと妊娠率が上がるらしい…!?」
などの声を聞いたことも、あるかもしれません。
でも、ラクトフェリンっていったい何?と思う方も多いですよね。
ポイントは、「子宮内フローラ」にあります。
この記事では、
・妊活とラクトフェリンの関係
・ラクトフェリンの取り入れかた
についてまとめていますので、ぜひ読んでみてくださいね。
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ラクトフェリンって何?
ラクトフェリンとは、ヒトの母乳や牛乳などに含まれる物質で、タンパク質の一種です。
ラクトフェリンが持つ働きのうち、もっとも大事なのは「免疫」という機能。
免疫は、体内に入ってきた細菌やウィルスと戦って、身体を病気から守る働きのことです。
ラクトフェリンは母乳のなかでも特に、初乳(出産後に分泌する最初の母乳)に多く含まれています。
ヒトの初乳には、ママがこれまでに細菌やウィルスから獲得した抗体など、さまざまな免疫物質が含まれています。
ラクトフェリンもそのうちの1つで、他の免疫物質の働きをサポートし、高める役割を持っています。
母乳には、生まれたばかりの弱い赤ちゃんを病気から守る働きが、はじめから備わっているんですね。
またラクトフェリンには、体内の「善玉菌」を増やし「悪玉菌」を減らす働きもあることが分かっています。
ラクトフェリンは悪玉菌が持つ鉄分を奪うことで、悪玉菌の活動をストップさせ、増殖しないようにしています。
ラクトフェリンは、出会った細菌が善玉菌なのか悪玉菌なのか、自分で見分ける能力があるとも言われています。
良い菌だけを増やしてくれるなんて、とても便利な物質ですよね。
ラクトフェリンは免疫のほかにも、内臓脂肪の減少や骨粗しょう症予防、貧血改善などさまざまな効果を持っています。
それゆえ「多機能タンパク質」とも呼ばれるラクトフェリン。
赤ちゃんだけでなく大人もみんな、ラクトフェリンが健康を守ってくれているのです。
では、ラクトフェリンの働きは、妊活とはどう関係しているのでしょうか?
カギは、ラクトフェリンの持つ「善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす」機能にあります。
次は、妊活におけるメリットを見ていきましょう。
妊活とラクトフェリンの関係は?
最近、妊活や不妊治療において注目されているのが「子宮内フローラ」という言葉。
ラクトフェリンには、この子宮内フローラを整え、改善する働きがあることが分かってきました。
まず子宮内フローラは、子宮内にたくさん常在している、多種多様な細菌たちのこと。
似た言葉で、腸内フローラは聞いたことのある方も多いでしょう。
そして子宮内フローラにも「善玉菌」「悪玉菌」がいます。
善玉菌のなかでも「ラクトバチルス属」という乳酸菌は、雑菌などの悪玉菌が増えるのを抑えて、感染症などから子宮を守っています。
そしてラクトバチルス菌は、妊娠・出産においても適切な環境づくりをしてくれています。
研究によると、子宮内ラクトバチルス優位群(ラクトバチルスが多い人)と低位群(多くない人)では、優位群のほうが2倍以上も妊娠率が高いことが分かりました。
また妊娠(着床)だけでなく、妊娠継続率、出産成功率もラクトバチルス優位群のほうが高いのです。
では、善玉菌であるラクトバチルスを増やすにはどうすればいいのか。
ここで活躍するのがラクトフェリンです。
ラクトフェリンの「善玉菌を増やして悪玉菌を減らす」効果によって、ラクトバチルスの増加が期待できるのです。
実際に臨床試験などで、ラクトフェリン摂取後に子宮内フローラを調べると、ラクトバチルスが大幅に増えていることが分かってきました。
ラクトフェリンそのものは善玉菌(ラクトバチルス)ではありません。
しかし、持っている免疫機能によって間接的に子宮内フローラを整え、妊娠力を高めることができる、すごい成分なんですね。
では、このラクトフェリンはどのように摂取すればよいのでしょうか。
大人になった私たちは、母乳からラクトフェリンを得るわけにもいきませんよね。
次は、ラクトフェリンの摂取のしかたについてご紹介します。
ラクトフェリンはどう摂ればいいの?
子宮内フローラを整えるラクトフェリンは、どのように摂取すればよいのでしょうか。
もっとも効率的に摂取できるのは、サプリメントです。
ラクトフェリンと言えば森永!と言われているそうですね。
なかでも、腸まで届くよう加工された「腸溶性」のサプリメントがオススメ。
ラクトフェリンは酸に弱く、そのまま摂取しても消化過程で胃酸などに壊されてしまいます。
腸溶性のサプリメントなら、腸まで届けてから吸収されるため、損失が少なく済みます。
腸溶性で妊活に特化したこんな商品を見つけました。
サプリメントのほか、牛乳などの乳製品にもラクトフェリンは含まれますが、含有量は少なめです。
また、ラクトフェリンは加熱で死滅してしまうため、一般的な加熱殺菌済みの牛乳だとほとんど摂取できません。
食品から摂取する場合は、
・搾りたての牛乳
・ナチュラルチーズ(プロセスチーズは加熱加工されているためNG)
などが良いでしょう。
最近では、ラクトフェリン入りのヨーグルトや大人用の粉ミルクなど、機能性に特化した商品も発売されています。
例えば、こんなものがあります。↓
サプリメント代わりに、このような食品を取り入れてみるのもアリですね。
まとめ
免疫機能によって、身体にさまざまな効果をもたらすラクトフェリン。
「善玉菌を増やし悪玉菌を減らす」働きで、子宮内フローラを整え、ラクトバチルス菌を増やしてくれます。
ラクトバチルスが増えれば、子宮にとって妊娠・出産しやすい環境が整います。
なかなか妊娠できない…という方は、子宮内フローラの状態が悪いという可能性も。
不妊治療の病院などでは子宮内フローラ検査を行なっているところもあるので、気になる方は検討してみてくださいね。
ラクトフェリンは、妊娠だけでなく健康そのものにつながる多機能なタンパク質です。
ラクトフェリンを増やすためにも、サプリメントや食品などから取り入れてみてはいかがでしょうか。
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