「不妊の原因は女性にあるもの」
男性だけではなく女性の中にも、このような考えを持っている方が多く見られます。
実は、男性不妊は全不妊の半分近くを占めていることが分かっています。
なので、不妊は夫婦の問題として、しっかりと向き合っていく必要があります。
この記事では、
男性不妊の原因や特徴は何か?
治療にはどのようなものがあるのか?
など、男性不妊に関する疑問をまとめています。
「子供を授からない原因を明らかにしたい!」というあなた、ぜひ参考に読んでみてくださいね。
まずは男性不妊とは何か、どのような検査をするのかと言うお話から!
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男性不妊とは?どのような検査をするの?
不妊はWHOの定義では「1年妊活をしても授からないこと」で、男性不妊とは男性側に原因がある不妊を言います。
不妊の原因は、
女性:65% ※夫婦両方の場合も含む
夫婦両方:24%
原因不明:11%
で、意外に男性不妊も多いんですよ。
なので、男性も「自分は関係ない!」なんて思わず、念のため検査を受けておくことをおススメします。
男性不妊の検査では、
・精液検査:精子の数や形、運動率などで受精能力を確認
・問診:既往歴や内服薬、性生活でのトラブルなどを聞き取り
・視診:性機能に関連する部分(睾丸やペニスなど)の観察
・触診:触りながら精索静脈瘤などの異常を確認
・エコー検査:超音波で精巣や血管の状態を確認
・ホルモン検査:血液検査で男性ホルモンや性腺刺激ホルモンの異常を確認
などを行います。
精液検査の正常値は、
精子濃度:1500万/ml以上
総精子数:3900万/射精以上
総運動率:40%以上
正常精子形態率:4%以上
ですが、これらの数値はその日の体調によって大きく変わってしまう場合があります。
複数回の検査で10倍近くも、数値が変わってしまう人もいるくらいです。
なので、検査の前日は3日ほど(病院によっては1週間)、禁欲期間を設けるよう指示されます。
精子の状態をより正確に把握するために、2~3回検査を受けることを推奨する病院もあります。
精液検査・問診・視診・触診・エコー検査・ホルモン検査などの検査。
これらの検査では精子や性機能、ホルモンなどの異常と同時に、男性不妊の原因が特定できる場合が!
次は、男性不妊の原因や特徴について説明しましょう。
男性不妊の原因や特徴は?
男性不妊の原因には、造精機能の障害が関係しているものと、造精機能の障害が関係していないものとがあります。
ちなみに、造精機能とは男性の体内で、精子を作る機能のことです。
精巣機能が低下すれば、総運動精子数も減って受精にも支障が出てしまいます。
それで、男性不妊の原因として多いのが、
造精機能以外:ED(勃起不全)、射精障害など
生活習慣:喫煙、サウナ、長風呂、窮屈なパンツなど
など、治療が必要なものから生活の見直しのみで改善できるものまで様々です。
男性不妊の原因になりやすい症状を、簡単に説明しましょう。
・精索静脈瘤:精巣周辺に静脈瘤ができる症状
・無精子症:精管詰まり、精巣内で精子が作られないなどの状態
・乏精子症:精液中の精子が少ない状態
・精子無力症:精子の運動力が弱い状態
・ED(勃起不全):勃起機能が低下した状態
・射精障害:正常に射精ができない状態
この中でもっとも多いのが精索静脈瘤で、男性不妊患者さんの4割が該当すると言われています。
また、精巣機能は温めすぎると低下しやすく、体温より数度低い状態がベスト!
急激に血行を良くする活動、下半身を圧迫する衣類などは避けるのがおススメです。
男性不妊の原因が分かったところで、ではどのようにすれば改善できるのでしょうか?
治療すれば妊娠率をアップできるのでしょうか?
それに、治療する際の痛みや副作用なども、気になりますよね。
次に、男性不妊の治療にはどのようなものがあるのか、紹介します。
治療にはどのようなものがあるの?
男性不妊の原因に何らかの症状が関係しているなら、その症状を治療することで妊娠率をアップすることが可能です。
根本的治療:手術やホルモン注射などの症状の治療
対症療法:症状の治療はせず人工授精や体外受精、顕微授精、精巣内精子採取術
補助的療法:ホルモン薬や漢方薬、サプリメントなどの服用
生活の見直し:禁煙、トランクスの着用、サウナや長風呂を控えることなど
もっとも医学的根拠が強いのが、症状の治療を行う根本的治療。
精索静脈瘤が有病率の高い症状だからでしょうか。
精巣周辺の静脈を縛って、静脈の逆流を防ぐ「精索静脈瘤手術(ナガオメソッド)」は、生殖機能の改善にもっとも有効な治療と言われています。
それから、精索静脈瘤などの男性不妊の原因となる症状がない場合は、特に根本的治療が必要ないですよね。
このような場合は、手術やホルモン注射などの治療はせず、対症療法で妊娠を目指すことになります。
また、補助的療法は医学的根拠に乏しいため、他の治療と同時に行うことを勧められる場合がありま
す。
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まとめ
1年妊活をしても授からない男性不妊は、全不妊の48%を占めているのだとか。
半分近くが男性に原因のある不妊だと、「もしやうちの旦那も?」と不安になってしまうのでは?
なかなか子供を授からない場合は、1年を目安に男性不妊を扱っている泌尿器科を受診しましょう。
奥様がクリニックにかかられている場合はそのクリニックで診てもらえることもあります。
精液検査・問診・視診・触診・エコー検査・ホルモン検査などの検査で、男性不妊の原因となる精子や性機能、ホルモンなどの異常が見つかるかも知れません。
男性不妊の発見は少しでも早い方が、根本的治療・対症療法・補助的療法・生活の見直しなどで改善する可能性も高まります。
適切な治療を受けることが、夫婦の精神的な負担につながる場合も多いので、まずは勇気を出して検査を受けてみましょう。
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